貧困無趣味OLがキックボクシングを始めたい話~スリムなゴリラ編~
こんにちは。こんばんは。
今日も貧困無趣味OLがキックボクシングを始めたい話です。お付き合いください。
ついにジムへ向かうナナ。
場所は比較的わかりやすいところにありました。
決めたジムはローカルチェーンと言えばいいのか、都内に何か所かあるジムです。
その中で、一番職場に近いところを予約しました。
駅から歩くこと5分。
事前に調べた際、ストリートビューで見た風景が見えてきました。
着いてみると、なんと、地下。地下です。ものすごく入りにくい。なんで、地下。
ビビり屋のナナですが、ここまできたら引けません。なんせプライドだけは高い女。
なんでもないわよ、という顔をして階段を下りました。
階段の途中からすでに響くサンドバックを蹴る音。それがまたスゴい。チキるナナ。
階段を降りると正面に受付があります。
恐る恐る声を掛けました。
わたし「……すみません、体験をお願いしたナナと言いますが」
受付のお兄さん「あ、お待ちしてました。こちらへどうぞ~」
手慣れた感じだったので、体験の方は少なくないのでしょう。その日はわたしのほかに大学生くらいの男の子も体験に来ていました。
書類に簡単に記入を済ませ、更衣室などの説明を受けていったん着替え。
早めに来たので、まだ前のクラスが終わっていなくて更衣室は貸し切り状態でした。
さっさと着替えて出ると、受付のお兄さんがグローブを用意してくれていました。
なんでも、今日のクラスはすねあては要らないのだそうです。
汗対策に軍手も貸してくれました。
あとから知るのですが、軍手めっちゃ大事です。汗かきまくってグローブが汗まみれになります。滑るし汚れる。剣道の面?かぶるとき、なんか布巻きますよね?あんな感じだと思います。
そして20時。ついに始まりました。ナナのキックボクシングデビューです。
体験と言いながらも入会する気満々で入会金もおろしてきました。なけなしの口座から。
はじめはまず柔軟から。入念に行います。運動なんて何年振りかのわたしにしてみれば、とてもありがたい。
そして基本の型の確認。
足を肩幅に開いて、聞き手と逆側の足を一歩前に出す。聞き手側の足はつま先を斜め45度に向けます。
手は前ならえをして、小指から握る。聞き手はこめかみのあたりに、反対の手はこめかみから拳一個分前に。
……とのことですが、明らかにわたしの構え、ほかの人たちと違う。
なんというか……そう、素人くさい。弱そう。
重心のかけ方とかがちがうのでしょうか。有り体に言って、ダサい構え。
そこから少しシャドーをして、身長の近い人と二人組になってミットを打ち合います。
わたしは初心者なので、先生が持ってくださりました。
ジャブ、ストレート。ワンツー、ワンツー。
ナナ、あまりにも猫パンチ。先生「もっと強く打っていいんだよ~」
そんなことを言われても。生まれてこの方、本気で殴ったことがあるものなんてゲーセンのパンチングマシンくらいのものです。
力加減よりも型のほうが気になってしまって、力など入りません。
周りの人を見ればよかったのですが、そんな余裕もない。
それでもなんとか繰り返し打っていると、不意に周囲が見られるようになりました。
緊張しすぎて逆に緊張が緩んだのでしょう。そして気づきました。
ボクサー、スリムなゴリラじゃん……。
音と衝撃がスゴいのです。ミットを持つほうも、打つほうも、スゴい。
打つほうはスゴい音させて打つし、持つほうの踏ん張り方も尋常じゃない。
やってみて知ったのですがパンチよりもキックのほうが力はあるのですね。
キックを受け止めるのは並大抵ではなくて、ふ……吹っ飛ぶ……という感じです。
拳圧で吹き飛ばすとか言いましたね。さすがにそれは無理でしょうが、キックでなら人ひとりくらい吹っ飛ばせるかもしれません。
怒涛の一時間を終えるころには、汗だくになっていました。
おお。これは、痩せそう。
更衣室は着替えたときとは一転、女性たちがたくさんいました。
皆さんあの音を出していたとは思えない、普通の華奢な女性でした。
スゲェ。カッコイイ。
わたしもスリムなゴリラ目指して頑張ります。
またしばらくしたら続きを書いてみますので、よろしければよしなに。